ぷよぷよフィーバーがアーケードで稼働されたのが2003年の11月。約1年が経過した。
 格闘ゲームで1年も経つと、新作が出たりして「ファイナル大会」というノリになることもあるが、ぷよぷよフィーバーの大会はまだまだ発展途上という感じがする。
 何より、長野の大会に各地から集まっていただけるほど熱心なプレイヤーが多いこと、また参加しないまでも大会の結果を心待ちにしているプレイヤーが多いことを、素直に凄いと思う。ぷよぷよ通は発売から10年経ってもまだ定期的に大会が行われている、これは新しくぷよぷよを始めようという人が次々に現れないとなしえないことだ。
 フィーバーは新しく始めようという人にはチャンスだ。通から続けている人は相変わらず強いが、フィーバーモードに関しては同じスタートラインに立てる。フィーバーモードにしっかり取り組めば比較的速く上位に追いつける可能性がある。ネットに繋ぐ環境があればフィーバーオンラインで、全国の上級者とたくさん対戦できる。通時代には全国数店しかなかった豊かな対戦環境が全国どこにいても得られるのだ。オンラインはレベルが高くて初心者には入りづらいと言われるが、カーバンクルやユウちゃんで1ヶ月くらい速攻とフィーバーモードにとりくめば3〜4割は勝てるようになるはずだ。大連鎖はゆっくり覚えて少しずつ勝率を上げていけばいいと思う。
 フィーバーは対戦の醍醐味が通よりはるかにわかりやすい。ミスケン vs 服部の動画がわかるレベルなら通の対戦も駆け引きが重要で面白いと言えるだろうが、初中級者にとって通はただ組んで発火するだけのゲームに見えかねない。フィーバーは初心者のうちから相殺してフィーバーゲージを溜めることを意識しないとならない、そのため相手の動きに合わせたプレイが必要であり、駆け引きの要素が出現する。中級者になるとフィーバーモードでの伸ばしや潰しなど、フィーバーに関連して戦略的に考えるべきことが増える。相手の動きを予測して自分の行動を決めるという駆け引きは通では上級者にならないとできなかったが、この対戦の面白さはフィーバーではいわば初中級者に開放された。このことも対戦の裾野を広げるのに重要なことではないかと思う。
 ぷよぷよは今のところ唯一の受け入れられた「瞬間的な判断力が問われる頭脳的対戦ゲーム」だ。スポーツもプロの戦いは高度に頭脳的なものがあるが、思考能力よりもまずは身体能力が要求される。一方将棋や碁は純粋に頭脳的対戦だが瞬間的な判断力がゲーム性に直接関連しているわけではない。状況を見て瞬時に判断して行動するのは、人間であれば誰しも日常的にやっていることで、その能力をフル回転させて勝負する「瞬間的な判断力が問われる頭脳的対戦ゲーム」は誰にでもその面白さがわかるはずだ。しかし、これはプレイヤー双方の行動をコンピューターで瞬時に管理できるようになって、はじめて実現できるようになった。その意味でぷよぷよはコンピューター時代になって初めて人類が経験する非常に新しく、かつ普遍的な面白さと言える。
 こう考えると、フィーバーになって、ぷよぷよの裾野はますます広がる可能性がある。将来は将棋や碁のような一般性を持つようになるかもしれない。(SEGAもそこまで考えてか、可能な限り多くの機種に対応し、一般性の高さを目指している)。
 ぷよぷよプレイヤーが増えれば、大きな目標として大会は必要だ。春のSEGA公認東京大会では多くのプレイヤーが頂点を目指してしのぎを削った。もちろん長野大会も高い目標になることを目指しているが、規模が小さい分プレイヤー同士の交流という別の楽しみがある。プレイヤーの裾野が広がれば勝負だけでなく交流も大切なことになるだろう。今まで僕がぷよぷよを通して知り合った人たちはみんな洒落てる人ばかりだ。普通の生活や仕事だけでは到底知り合えないような人たちと知り合うこともできた。ぷよぷよはゲームとして面白いが、ぷよぷよのプレイヤーと普通にいろんな話をするのもとても面白かった。オンラインだけでは味わえないものが確かにあった。
 次回大会は12月26日だ。すでに名古屋・関東を中心に遠征していただける話をいくつか聞いている。頂点を狙うのも、独特の技を見せつけるのも、あるいはただ単にバカ話をしにくるだけでも、ぜんぶ合わせてぷよぷよなのだから気軽にどんどん参加してほしい。オンラインを中心にした戦法の進化は、今回の大会の内容をあっという間に過去のものとしてくれると思う。
 FALさんや服部さんの見ていたものが、どんな形をしているかはわからないが、今ともかくぷよぷよは発展を続けている。長野の対戦会も中心はほとんど10代で、しかもあっという間に強くなるのだ。今ぷよぷよをやっている人の中で、初代のころからやっている人たちはむしろ少数派だろう。末永く愛されるゲームとして、オンラインだけでなく、地域に根ざした実際に会える同士での対戦コミュニティがもっと各地に現れるといいなと思っている。長野大会は幸い盛況で次回大会も開けそうだけど、他にももっと各地で大会が開かれてほしい。

 長野大会はゲームセンター(AMUSEMENT PARK NASA)の多大な協力を得ることで、動画公開などができています。金沢さんはじめ店員のみなさまがたに感謝いたします。
 また、たくさんの遠征者のおかげで面白い対戦が実現できています。御遠征ありがとうございます。大会を注目してくださるプレイヤーの方々も有り難い限りです。今後ともよろしくおねがいいたします。
 次回大会は12月26日です。みなさまふるってご参加ください。

 今回総括は特別に長文となってしまいました。最後までおつきあいくださいまして誠にありがとうございました。(文責=HAINA)

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