第2回ぷよぷよフィーバー長野NASA大会報告

 大会前日、長野NASAの常連がふと聞いてきた。
「あのひとがシューターの服部さんですか?」
 ぷよぷよだけやっていると意外に思うが、服部さんは他のゲームでも超一流の腕前を持つ。特にひとりで2つのレバーを操作する「服部(左手)+服部(右手)」の2人同時プレイシューティングは芸術の域だ。昨日彼はギガウイング2超絶プレイのビデオ撮りに取り組み、丸一日かけて完成させていた。彼の日記には「プレイ時間が15時間を超えたあたりからは考える事さえ止めていたように思う」「最後の30分間は力ではなく、心でプレイしていた」とある。まさに全てを出し切っていたのだ、大会2日前に。
 そのせいか、彼は大会前日のぷよ対戦会でも全くプレイせず他人のぷよ対戦を遠くからずっと眺めていた。彼ほどになれば見るだけでも十分調整になりそうだ。しかし長野勢や遠征者はそれでは物足りない、せっかく服部というビッグネームと出会えたのだから横並びで対戦して強さを実感してみたい。皆のさそいで服部さんが対戦席に座ったのはもう22時を過ぎたころだった。

 さすがに強い。さかな王子で不定形で組み合っても連鎖量で圧倒してしまう。ただ夜も更けてきて対戦会はかなり和んだゆるい感じになっていて、服部さんを止めるには真剣さがもうひとつ足りない感じもした、ただ一人を除いて。
 FALさんは、戦う目をしていた。
 彼はぷよぷよ全体のことを懸命に献身的に考えている。SANAさんなどと共に名古屋で定期的なぷよ通大会(BOXQ2杯)を開き、コンパイルやAJPAの消滅を乗り越え、今では全国でいちばんのステータスを持つ通大会に成長させた。プレイヤーとしてもかなり完成された通のテクニックを持っており、主催者から離れプレイヤーとして専念できる今回は心に期するものがあるだろう。……それとも、もっと遠くを見ていたのか。
 FALさんは、服部さんを止めた。


 翌日、台風は長野をそれ、吹き戻しの強風の中、大会が開催された。
 愛知・三重勢が7人、新潟が3人、関東が2人、関西が1人、長野が5人、で人数的にも遠征者優位となった(御遠征ありがとうございます)。
 人数は前回と同じ18人だが、メンバーはより豪華になった。東京大会の覇者服部さんをはじめ、2ぷよの雄やつか隊長、ディフェンディングチャンピオンのえすっちさん、紅一点の実力派あきさん、名古屋の重鎮北斗37さん、通時代に一世を風靡したあっちゃん、などなどいろんな意味で面白い。
 僕の私見ではこんな感じだった。
  ・通中心でフィーバーも少しやる人……6人
  ・通もフィーバーもやる人……3人
  ・フィーバーになってやりこみはじめた人……7人
  ・以前やっててフィーバーで復帰した人……2人
 通中心の人はアルルを使い、連鎖を好み、もともと安定した実力を持っている。フィーバーからはじめた人は配ぷよ数が多めのフィーバーキャラを好み、速攻とフィーバーを軸に戦い、実力は様々という印象がある。
 違うタイプ同士の戦いは今後のぷよフィの動向を見る意味でも要注意だ。

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