(ひささん(アルル) vs FALさん(アルル))
 決勝戦も名古屋のお互い良く知った同士の対決となった。
 ひささんは今回あまり調子良くはなかった。というより彼はフィーバーにはそんなに興味がなく、フィーバーでの戦いに違和感を感じているようなのだ。
 彼の階段積み折り返しは通で鍛えられた。序盤の潰しに耐え、中盤の駆け引きに強い形で彼の折り返しは進化してきている。しかしフィーバーの階段積み折り返しは序盤のリスクをあまり背負わなくて済み、そのためあまり工夫せずにきれいな形を作っていくだけでかなり勝ててしまう。他のプレイヤーと差をつけていたひささんの持ち味がフィーバーでは殺されてしまうのだ。右から3列目が埋まっても負けになる、という変更も右折り返し派のひささんにとっては決して小さくはないだろう。

 1戦目、FALさんはかなりきれいな挟み込み折り返しを作っている。中盤ひささんが3連鎖の催促を先攻したがFALさんはしっかり見切って3ダブで返し、苦しくなったひささんが打った本線崩しに冷静に本線を合わせて勝った。
 2戦目、ひささんは折り返しを組んでから重目の4連鎖で催促を先攻する。FALさんは4連鎖を返すが、ひささんが次に送った3連鎖の催促を返そうとしてフィーバーに入ってしまう。ひささんは即本線8連鎖を発火しFALさんは2回目のフィーバーに入れず負けた。この勝負はひささんの先攻して相手をフィーバーへ入れる作戦が生きていた。
 3戦目、ひささんは先攻の催促に行こうとするがやや形が崩れ重目の2連鎖となった。これにFALさんが3連鎖を合わせ、ひささんが形を整えている間に再度3連鎖を打ち、ひささんを軽く埋めた。ひささんはそこから3連鎖を打つがFALさんは4連鎖で返し、やむなくひささんは本線発火、FALさんは11連鎖で大きく返して勝った。通的に見れば中盤戦を制したFALさんの快勝だが、本線発火前にFALさんにはフィーバーゲージが6溜まっていた。無事フィーバーに入ることなく本線発火できたが、その差はほんの紙一重だった。
 4戦目、FALさんは一気に伸ばし13連鎖を発火するがこれが途中で止まって8ダブになってしまう。ひささんは11連鎖ができていたので発火すれば勝っていた可能性が高いが、見切れずに直撃死した。もしひささんがもう少しフィーバー慣れしていたら、アルルの連鎖ボイスの違いで止まっていたことに気づけたかもしれない。9連鎖以上なら、えい→たぁ→いっくよー→そぉれ→ファイヤー……となるはず。この戦いでは、えい→たぁ→いっくよー→そぉれ→ダイアキュート……だったので5連鎖の時点で9連鎖以前に止まることに気づく。

 決勝はお互い良く知った同士ということで、序盤の動きは少なく、その分中盤のしのぎあいに見応えがあった。
 FALさんはストレート勝ちが一切ないという厳しい戦いを、強い意志と鋭いテクニックで勝ちきり、優勝した。通での豊富な経験で土台がしっかりしており、フィーバーになってもゆるぎなく自分の戦い方ができていたように思う。
 おめでとうございます。

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