どうしてあなたは何も言わず去っていったのか



どうしてあなたは何も言わず去っていったのか
1998-06-15 (# 049)
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かつて、レイナと別れ、ユリナス世界を救うため一人でアーシナ世界へと旅立っていったカゾリフ。レイナは他世界アーシナにとらわれたヒグサ(=カゾリフ)を、紆余曲折の末ユリナスへと連れてきた。しかし、ヒグサはユリナス、アーシナ二つの世界を救うため、再度旅だってしまう。
秋にしては冷たく、雪さえ振りそうな中、レイナは叫ぶ「どうしてあなたは何も言わず去っていったのか」。
やがてヒグサのヒトツの言葉が見つかる「いずれ、500年の後に私は再び帰ってくる」。
その言葉がさらにレイナを苦しめる。想像も届かないほど遠い未来。年月はゆっくりと通りすぎていくのだから。歯を食いしばり、思う「あたしは、待つ」と。
レイナが叫んだ地にはヒグサの作った結界「銀色の碑」があり、やがてこの年を銀碑暦1年とする暦が作られた。長い年月の有為転変があり、銀碑暦481年、ヒグサの魂はついにユリナスへと転生した。ミン・ヴァーナス、彼女の時代が魔法の黄金時代と呼ばれるようになった。彼女が初めてレイナと会ったそのとき、まさに銀碑暦500年。あれから500年が経っていた。季節は初夏であったが、そのときもまたしとしとと雨が降っていた(いずれその瞬間も絵に描きたい所存デス)。



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