魔法空間の種類
 魔法発動に使う力を取るには、いろんなやり方があるの。このへんが結構、魔法のキモになるの。
コモン
 一番普通にある魔法空間。どこに行っても魔法感覚を開けばすぐに見えるよ。ここから魔法の力取るのがいちばん気軽なんだけど、あまり多くの力を一度に取ることはできない。場所によって取れる力にずいぶん差がある。ちなみに最大なのは伝説の魔法使いミン・ヴァーナスの出身地の、テンヤン山の麓のあたり。タリアもまあまあ強いよ。あと、日や時間によっても力がよく変わる。風みたいにころころ変わるんで、魔法空間の風とか呼ばれることあるし、これを観察するヒトは魔法空間風見といって、結構重要な役割なの。
ハイコモン
 コモンより高位の空間にあるとされてる魔法空間。コモンより力強いんだけど、より制御しにくい。安定性に欠けるって弱点はコモンと一緒だけど、少しはマシみたい。
 魔法感覚を鍛えていけば次第に見えるようになる。ハイコモン頼りでないと発動できない呪文も多いし、まあ、これが扱いこなせるようになれば、一人前まであと一歩。
オーヴァー
 ハイコモンよりさらに高位にあるとされている魔法空間。最近支持されてる意見によると、魔法的に言えば、通常空間をコモンが取り囲んでいて、その外側にハイコモンがあって、さらに外側にオーヴァーがあるらしい(図4)。「他の世界」(神話なんかでは「神々の世界」ってされてたりもする)へ行くにはオーヴァーを通っていく必要があるらしい。

 まがりなりにもあたしたちが存在を推定(つーか確信)している他の世界は「アーシナ」と呼ばれるものヒトツだけで、あたし(ルィノ)とミン様、あとイファ君はアーシナと関わったことがある。
 アーシナとわれらがユリナスは、お互いの回りを回ってるみたいになってて、500年に一度大きく近づく、と推定されてるの。そのときいちばん近づく場所が、魔法の島として有名なノルン島(のイナム国)で、あたしやイファの出身地でもあるの。
 オーヴァーについては、アーシナとユリナスが最接近したときにオーヴァーを通って行き来したと思われる例が散見される程度で、詳しい研究は全くされてない。
 実用魔法にとってみれば、全く未開発の場所ね。もっともここの動きはハイコモンとコモンに影響与えることがあるから、そういう研究はわずかにあるみたい。
パーソナル
 ハイコモン空間内に、魔法使い各自が整備する場所ね。見つかりにくくて力のある場所を選んで、力が安定するように整備して、見つからないように擬装するの。これでその魔法使いが専用で使える魔法空間のできあがり。
 力は安定してるし、長い時間かけて手を加えていけば取れる力もだんだん強くなってくる。
 問題は、パーソナルを作った土地でならパーソナル空間使えるんだけど、別の土地に行ったら、まず魔法の目を飛ばして(前述)、自分のパーソナル空間までの魔法的ルートを作っておかないといけない。5ディール(200km)位までならほぼ問題なし、30ディール(1200km)でもルート取れることがある。だから高位の魔法使いが初めての街へ行った時はまず瞑想してルート探しするのが定番。だから「イナムの魔法使いは風見(ルート探し)の前に旨いメシ屋を探す」などと囁かれたりする。かなり当たってるかも。イファ君見てるとそんな感じ。一度ルートが取れた所なら、次からでも大体問題ないよ。
 パーソナルは稀に暴かれることあるし、長い間ほおっておくと荒廃することもある。パーソナルから力を取るときに暴かれやすい。だから高位魔法使い同士の戦いだと相手のパーソナルの暴きあい、とかルートの切り合いってのがよく起こるの。
 パーソナルが持てるようになると魔法使いとして十分一人前。
グループス
 パーソナルを複数人で使えるようにしたものをグループスと呼んでるの。友人同士、夫婦同士で使う小規模なものもあるけど比較的少ないね。多いのはイナメル会とかアマナフ会といった魔法使いギルドが一つのグループスを作るもの。こういうのは工夫されてて、コモンレベルの、まあ入門したての魔法使いでも使えるようになってることが多い。力を取るだけでなくて、この中での魔法模擬戦などといった使い道もあるの。
 イリディアがイリディアコミュニティ作る時に作るのもイリディアのグループスって言えるよね。
イリディアコモン
 イリディア(妖精族)にとってのコモン。一種のハイコモンなんだけど、イリディアは誰でも使えるのに、ヒトがここに入り込むのはものすごく難しい。
 イリディアはこのイリディアコモンを通してテレパス送ったりする。イリディアには広く伝わるけど、ヒトにはまず感知されない。
 イリディアコモンは安定性はあるけど、力ははっきり言ってコモンより弱い。イリディアは魔法の力を生命力にして生きているんだけど、イリディアコモンだけでは生命を保つのには少し心もとない。
 だからイリディアたちはイリディアのグループスを整備して、そこにイリディアコミュニティと呼ばれるものを作り上げる(妖精の森って言う方がわかりやすいかも)。それでなきゃイリディアはコモンやハイコモン、あるいはパートナーのヒトから魔法力を取って生きていくことになるね。
魔法石
 これはまあ「空間」じゃないけど、魔法の力としては重要なモノよね。
 魔法石ってのは魔法の力を蓄えることのできる一種の宝石なの(別に宝石でなくてもただの石コロやあるいは木とか骨だったりするけど、いちばん多いのは宝石)。使わないときは勝手にコモンから力をチャージしてたりするスグレモノなんだけど、いかんせん大量に力を蓄えられる魔法石は実に少ない。そういうのは魔法使いにとっては究極の宝物になるね。
 高位の魔法使いはたいてい肌身離さず持ってて、ほんとうにヤバくなったときだけ使うことにしているみたい。
 あと、呪文を魔法的に記憶させておく魔法石もある。呪文を覚えるときは普通こういう魔法石から魔法的に記憶することになる。

呪文のシリーズ
 呪文は開発したヒトや場所などによってシリーズになっている。例えばタリアで魔法使いを志すなら、まず基礎呪文の一部とウラノン伝統呪およびイナム伝統呪を学んで、次にウラノン新呪を学ぶのが普通。
 こういうシリーズをちょっと紹介するね。(まあ、こんなシリーズ以外にも、とある魔法使いが一コだけ作った呪文なんてのがいくらでもあるんだけど)。
基礎呪文
 魔法を使うときの根本に関わる呪文。
 魔法使いなら全世界共通でこれに似た呪文使ってると思う。
呪文記憶
 とある呪文をいつでも使えるように自分の記憶に刻みつけておくための呪文。普通の記憶とは違って魔法的なもので、「魂に刻む」と言ったりもする。ヒトによって覚えておける量の限界は差があるけど、訓練次第で伸びていくよ。
 一度覚えるとよほどのことがないかぎり忘れない。
複雑さの記憶
 呪文記憶とほぼ同様。呪文の代わりに「複雑さの情報」を記憶するもの。
呪文封じ
 呪文を何かのアイテムに魔法的に刻みつけておくもの。覚えさせられる量はアイテムによる。
力封じ
 魔法の力を何かのアイテムに封じるもの。呪文封じと組み合わせて使うことも多い。魔法石(前述)を作るときもこの呪文が使われている。
呪文記述
 これは別に魔法じゃないけど。つまり呪文を非魔法的に(紙にペンとインクで)記述する方法のこと。いろんなやり方があって、イナム、ウラノン、タリアでも、時代によっても微妙に違う。記述できるヒトなら「読む」こともできて、魔法の本から自分に呪文を覚えさせることができる。
 普通に「魔法の本」といわれるものは、呪文記述を使って呪文を書きつらねているものが多い。
パーソナル作成呪文
 パーソナル空間(前述)を作成するときに使ういろんな呪文のこと。
パーマネント
 あらゆる呪文を恒久的に動かすための呪文。魔法のアイテムや結界を作るときにはなくてはならない呪文。
ウラノン伝統呪
 イナム伝統呪と合わせて、単に「伝統呪」と呼ばれるコトの方が多い。いちばん普遍的な、大昔からあって誰が作ったかわからない呪文だ。
 天候や河の流れを読む呪文、火をつけるなどの生活に役立つ呪文、簡単な治癒の呪文など、妖魔(魔法空間に住む動物みたいなの、基本的に無害だけど、ときどきヒトを襲う)に対する呪文もいくつかあって、結界を作る呪文も入っている。(だけど、妖魔に対しての呪文はイナム伝統呪の方が使いやすいんでそっち使うことがほとんど)。
イナム伝統呪
 セクレア大陸(タリアのある大陸)の東岸、ノルン島にある有名な魔法使いの国イナムに古くから伝わる呪文。多くはイナム創設者にして伝説の魔法使いカゾリフによるものとされている。日常的なことに使う魔法もあったんだけど、ウラノン伝統呪とほとんど同じものなので、イナム伝統呪特有の妖魔系魔法だけが「イナム伝統呪」とよばれることが多い。内容は妖魔の感知、退治法、結界を作るための高度な呪文も含まれている。
ウラノン新呪
 ウラノン王城魔法院で少しずつ開発されてきた魔法。魔法院の者のみ使える秘呪もいくつか存在するらしいが、ほとんどは大陸東北部の魔法使いたちに惜しみなく伝えられている。(ここだけの話、秘呪は別名「後宮呪」と呼ばれていることをあたしは知っている。内容は推して知るべし♪)。
 内容は戦闘、特に大規模戦闘の時に使う、情報網の整備や空間の攪乱などが多いみたい。個人戦闘呪文も充実してると思う、相手のルート切りとかね。
イナメル新呪
 イナム国の第二魔法期に開発されたり編纂されたりした魔法。現在も開発進行中で、開発途中の物以外は全公開。開発者は古くはリチア・ファルデモ、シャロック&シャロム・ソガ、今ではシルヴァ・ティアメス、ライム・ルーカオなど。最前線での魔法実践に活躍しないタイプ、つまり学究肌のヒトが多いね。あ、イファ君もちょっとばかし関わってたな。
 呪文は高度治癒(特に後遺症を残しにくい)、大規模戦闘用呪文、あと広範囲に薄く効く呪文、音の呪文が多いことが特徴だと思う。
 物性の転換という高度な呪文が極めて高いレベルまで考察され、一部は呪文化されている。おおざっぱには「木からパンを産む魔法」って言われるけど、応用範囲は広そう(まだ未開発なのだ)。
アマナフ新呪
 イナムの隣国であり、イナムに匹敵する魔法国イグゼムのケンネ地方の魔法使い集団アマナフによって研究されてきた呪文。こちらも開発途中以外全面公開。
 イナメル新呪とは重複する部分も多いし、現在イナメルとアマナフはとっても仲がいいんで、魔法の本などに紹介されるときは、イナメル・アマナフ新呪、あるいはノルン島新呪と呼ばれて一緒くたにされることが多い。
 開発者は、マイネク・ウィルフィールド、アキ・ヨツンフ、ディジナムナ・エメン(現イナム国王なり)など。「複雑さ」に関する基本的な研究が一時期盛んで、イナメル新呪として伝えられる「物性の転換」系魔法の基礎を作り上げたの。
 呪文は治癒や戦闘に関してはイナメルとほぼ同一だけど、空間系呪文の極めて高度な呪文を含む。有名でありながら自殺行為と言われ、ほとんど誰も使ったことのない「テレポート」の呪文について深い考察がされていたりする。もちろん他にも遠距離通信や遠距離攻撃、偵察など空間系が充実している。
 イナメル、アマナフ共に、オーヴァー空間(前述)についての考察が熱心に行われた時期がある。呪文に結びついたものはほとんどないけど、魔法の根本的解明に対してかなりの進歩があったと思う。
汎イリディア呪
 イリディア(妖精族)は魔法的に見てもヒトとは少し違うから、使う魔法にもいろいろ特徴があるの。イリディアは概して通信とかの空間系魔法と妖魔系魔法が得意で、一度にたくさんの力を必要とする魔法がニガテ。
 全てのイリディアは生まれたときからコモンに対する魔法感覚とイリディアコモン(前述)を介したテレパス能力を持つんだけど、まずこのテレパスを伸ばして、イリディアコモンを介した遠距離通信魔法を覚えさせるの。最初は単純な叫びで、距離も無指向、遠くまでは届かないけど、訓練していけばいろいろとできるようになるね。
 あとは妖魔退治とか妖魔感知、妖魔避けとか、そんなのが多い。結界呪文もあるけど大規模結界はヒトとの協力によることが多いね。イリディアのグループス(前述)を作る魔法も重要。
 そういえば動物を恐れされる呪文なんてのもあったな。重要だ。
サマリア公認呪
 サマリアってのは大陸東南部に広がる国で、タリアやイナムのある東北部とはかなり険悪な仲なの。ここでは魔法使いはサマリア国魔法院に所属する者以外認められていないの。
 そのサマリア国魔法院において認められている呪文集がサマリア公認呪ってわけ。門外不出。
 内容はどうやら、ウラノンやイナムの伝統呪にいろんな新呪の入った、東北部の呪文と大差ないらしい。アマナフやイナメルにおける最高に高度な呪文研究にも、かなりのところまで近づいている模様。
 対イリディア呪文なんてのがある。腹立つ。
クラスタ秘呪
 現在(551年)、タリアでトピックスになってる呪文シリーズ。服従の魔法使いと呼ばれたクラスタ・レミ・シーカの死によってわずかに明らかにされた魔法。
 ヒトの不死化に関する呪文など、過激でDirtyなものがあったらしい。現在タリアで解析中。レミ一人の手によるものなのか、そもそもレミの地方に高度に発達した魔法があったのかも調査中。

呪文の実際例
 少し呪文の具体例出してみて、どんなふうに働くのか見てみるね。
結界
 結界ってのは、ヒト(やイリディア)の住むところに妖魔が入ってこないようにするためのバリアなの。魔法空間に張りめぐらされた網戸とか防風林とか、そんなイメージね。
 結界の呪文は最も古いもののヒトツで、イディオパ地方から魔法文化が伝来した700年(以上)前にもうあったらしいの。そのころは多分いちばん難しい魔法だっただろうし、今でも相当に難しいことに変わりはないのね。
 今では呪文が各地で改良されてる。タリアではイナム伝統呪に含まれる結界呪文を使うことがほとんど。
 結界は普通、大きい結界をドンと作って、その中にさらに村ごと、町ごとに結界を作るの。小さい結界は高位の魔法使い一人で作れないこともないけれど、大きい結界は使う力の量が半端じゃないので、一人の力ではまず無理。そのため専用のグループスを作って、じっくりとそこに力を蓄えることになるの。魔法空間への網の張り具合によって効果や耐久性が大きく変わってくるから、魔法使いの腕の見せどころね。いい魔法使いは呪文に必要な改善を加え、魔法感覚の目を最大限延ばし、経験をフル回転しつつ、呪文の効果をアドリブで調節したりもするの。
 こうしてできた結界は、定期的にメンテナンスする必要がある。小さな結界のメンテは大体寺社(後述)の仕事。大きい結界はそこの魔法使い集団が管理することが多いけど、集団の力がなくなってくると結界も次第に弱まってきたりする。
 大きな結界で有名なのは、何といってもイナム山麓にカゾリフが作ったもの。目印になった銀色の碑から「銀碑暦」と呼ばれる暦さえ生まれた。これは大陸東部でいちばん古い暦なので、ウラノンやタリアでも歴史的記述には好んで使われるの。
火付けの呪文
 イファ君が最近になって考えてた呪文。もちろん魔法使いなら呪文の助けを借りずに火をつけることぐらいできるんだけど、これは魔法使いでない人々にも魔法で火をつけることができるようにすることを目標とした呪文なの。
 もともと魔法能力は誰にでもあるものだから、じっくり時間かけて念じれば、ごくごくわずかだけど火がつく可能性はある。その力の流れを呪文でうまく制御してやれば火のつく可能性は上がる。
 だけど一般の人は呪文記憶(前述)が使えないから、呪文はごく短く、なんと口で発音する形式が取られた。
 イファ君の思惑通り、火のつく確率は7〜8割になったんだけど、かかる時間は4刻(1時間ほど)くらいになった。だめだこりゃ、で失敗気味。
 呪文の音節作動ってのはマイネク・ウィルフィールドの研究を継ぐもので、可能性は論じられていたけど、本当に実践魔法に応用しようとしたのはイファ君がたぶん初めて。上手くいかなくて残念。
眠りの呪文
 これは難しいとされる精神系呪文のいちばん簡単なもの。ちなみに精神系呪文というのは相手の魔法空間の部分(つまり「魂」(後述))に作用させる呪文のことで、相手の精神に効果を及ぼす。魔法空間で呪文を飛ばして当てようってものだから、距離があると全然当たらないし、力もかなりかかる、しかも効果は不安定。
 眠りの呪文はアマナフ新呪でだいぶ改善されてて、魔法空間での相手の姿に「力を加える」のでなく「なだめる」というまるで催眠術師のような発想に切り換えられた。確実性は上がって、使う力も減ったけど、なにせ呪文は格段に難しくなった。まともに扱いこなせたのはマイネク・ウィルフィールドとアキ・ヨツンフ、二人だけだったと思う。

魔法のアイテム
 魔法のアイテムは、力が封じられたもの、呪文が封じられたもの、両方とも封じられたもの、の3つがある。ごくまれに「複雑さの情報」が記憶されたものもある。
 力が封じられたものは(前述)した「魔法石」ね。たくさんの力を封じられる石は宝石が多いけど、何の変哲もない(ように見える)石もある。どっちにしろ数は多くない。のろいのナントカ、とか、いわくつきのシロモノも多い。良質のものは魔法使いにとっては大切な宝で、高額で取引されたり場合によっては戦利品になったりする。
 呪文が封じられたものは少し(前述)したけど、呪文記憶のかわりになるもの。これも複雑な呪文を封じておけるほど良質のものはなかなかない。複数の呪文を封じることは可能。呪文だけ封じられてるアイテムには、魔法使いがアイテムに魔法の力を注ぎ込む必要がある。
 呪文と力が両方封じられてるものは、それだけで魔法が撃てる。魔法使いでなくてもほぼ確実に魔法が使えるってわけ。実際にはボタンを押すとか、強く振るとか、持つヒトの精神状態によって発動するとか、そんな感じ。力と呪文、両方封じるのは、量的にはかなりキビシイものがある。なので簡単な呪文しか作れない。複雑なものはまずダメ。
 力だけにしろ、呪文と力両方にしろ、使った後、力は自動的に魔法空間からチャージされるようにしてあることが多い。このようなものは劣化するまで何度も魔法を使うことができる。もっとも高品質のアイテムでないとなかなかこんな自動チャージなんて入れておくのは難しいよね。
 いちばんポピュラーなアイテムは、明かりの呪文にたえず力を流入させるパーマネント(前述)を組み合わせた魔法のランタンだと思う。これは比較的安価で、鉱山内などで特に重宝する。まあ、(前述)の魔法石なんてのも、ポピュラーっていえばポピュラー。
 それ以外の、例えば燃え上がる斧とか、紙みたいに薄い剣なんてのは、ほとんど見ない。かなりの宝物であるのは確かね。
 複雑さを記憶させた魔法のアイテムは「音楽玉」が有名(というかそれ以外知らん)。これは音楽を録音、再生できるもので、魔法使いの秘かな楽しみになってることが多いみたい(つーかタリア周辺だけかもしらんが)。
 魔法のアイテムの製造販売ってのは、高位魔法使いの大きな収入になったりするね。
 あ、忘れてた。普通は魔法のアイテムに入れないんだけど、作るときの工程の中で魔法が利用されるものがある。魔法の火と水で焼き入れされるケンネ刀が有名。こういうのは通常の品より優秀なだけでなく、魔法抵抗力もずばぬけてるのが普通。